講習会(H17.6.25)の解答例
移植・輸血検査部門
森井耕治
(1)今回の講習会とこの解答集について
輸血検査の中で血液型が確定できないと血液製剤の選択に困ります。緊急時のO型MAPの使用
については使用指針が出ており(明文化されている点で)問題はありませんが、待機的手術や一般的
な輸血については明文化されたものはなく施設ごとの判断に任されています。施設での判断は医師と
ともに検査技師の責任は重大です。
今回の講習会はこのあいまいな部分をテーマにして企画しました。そのため、絶対的な解答がない
ケースも多くあったことと思います。この解答集で講習会の内容をさらに検討していただき、今後の輸
血業務に役立ていただければ幸いです。模範解答ではなくあくまでも解答例としてご使用ください。
もし、同定血球、A1レクチン、Hレクチン、A2血球、抗血清などがあれば今回の症例はさほど問題
ではなかったかもしれません。そこで、この解答例はあえて以下の条件で作成しています。
実施 ABO、Rh血液型、抗体スクリーニング、DT解離試験
未実施 抗体同定、ABO、Rh以外の血液型、レクチン、A2血球
(2)想定した内容
講義T 血液型判定と適合血
CASE1
A亜型(A2)によるオモテ・ウラ不一致を想定
CASE2
B亜型(Bm)によるオモテ・ウラ不一致を想定
CASE3
ウラ試験(B血球)弱陽性の際の対応
講義U クロスマッチの落とし穴
CASE1
不規則抗体陽性の患者にクロスマッチ陰性、陽性のMAPが輸血されたケースを想定
CASE2
M抗体と連銭形成が重なったオモテ・ウラ不一致を想定
講義V 気軽に使っていませんか?判定保留
CASE1
直接クームス陽性(同種抗体以外)が原因でクロスマッチの自己対照が凝集したケースを想定
CASE2
直接クームス陽性(同種抗体)が原因でクロスマッチの自己対照が凝集したケースを想定。遅
延型溶血性輸血副作用
CASE3
悪性リンパ腫に伴った自己免疫性溶血性貧血を想定
(3)解答集への問い合わせ
済生会和歌山病院 臨床検査科 山本豊和
TEL 074−424−9805
FAX 074−424−9806
講義T 血液型判定と適合血
CASE1
症例 67才 男性
現病歴 心不全、腎不全、肝硬変
経過 14:00 家内にてコーヒー残渣用吐血(約300ml)
14:20 救急外来受診
15:00 出血性胃潰瘍の疑いのため内視鏡施行
輸血歴 8年前に輸血(製剤名不明)
来院時検査所見